俺は、男らしくなりたかった。 そして大勢の人間から愛される男になった。 『誰だお前』 忘れたフリして近づいた。 お前から追いかけさせてやるつもり、だったのに―― 『っ、そっちこそ……誰』 あろうことか お前は、七瀬柚季を知らなかった。 『あー……そういやこのまえ電話で母さんがそんな話してたかもな。興味なさすぎて忘れてた』 俺はな、アキラ。 お前のこと忘れたことなんてないんだ。 「……思い出せよ。俺のこと」