仕方ない。

亜依には今年はパスって連絡しよう。


「この家で過ごすクリスマスは今年が最初で最後だもんね」

「薄情なヤツだな」

「え?」

「母さんは、お前のことを娘のように可愛がってるんだ。ここを出たあとに他人なんて思うかよ」

「!」

「来たいときに来ればいいだろ」

「……ありがと」

「お、俺が来て欲しいわけじゃないからな」

「いちいち言わなくてもわかってるし」

「……そうか」

「ところで。新居は見つかったの?」

「まあな」

「よかったね」

「どこに住んでるか聞かないのか」

「そんな個人情報聞き出さないよ」

「……お前は。本当に俺に興味ないんだな」