「あ、そのあたりで停めてください」


待ち合わせの駅前にやってきた。


「すみません。ここは人目があるので、できれば少し路地に入りたいのですが。よろしいですか」

「あ。……そうですよね」


待ち合わせ時間には、余裕がある。


「離れてても全然かまわないので。お任せします」

「ここでいい」


ナナセがサングラスをかけると、車から降りる。


「ちょっと……!」


マネージャーさんに会釈すると、慌ててナナセを追う。


「バレちゃうよ」

「今は。お前の方が目立ってる」

「……え?」


まわりを見ると、知らない人と視線がぶつかった。


「モデルかなー、あの2人」

「綺麗」