世間話はいいから、はやく用事済ませて帰りたい。
「まあ、ゆっくりしていきなさい」
は?
「伊森は部活にも入っていないだろう?」
「……だから暇だって言いたいんですか」
「そんなことは言っていない」
近づいてくると、佐々木がとなりに座った。
待って。
距離感おかしくない?
「実はな、伊森」
気にしすぎなのかもしれないけど
「私は。その」
なに?
「君の、ファンなんだ」
……え?
「セーラー服にスラックス姿の君を初めて見たとき――衝撃を受けた」
知りませんけど。
「目覚めた、と言った方が。いいだろうか」
勝手に目覚めんな。
「それでだ。写真を……撮らせてくれないか」
撮らせるわけないだろ。


