「3話も見るか」
「え? 見ない」
「見ろよ」
「それより。そろそろ帰るね、わたし」
「……あっそ」
「乗せてよウシロ」
「はあ?」
「いいじゃん。疲れた」
「俺を誰だと思ってる」
「ナナセだけど」
「……呼び捨てかよ」
「ママさんから、弟みたいに仲良くしてって頼まれたんだよね」
「お……お前みたいな姉、お断りだ」
「乗せてくんないの?」
「警察に見つかったらどーすんだ」
「あー、そっか。やっぱりいい」
わたしが亜依を駅まで乗せてってあげるのとは、わけがちがうか。
それも本来ならアウトだけど。
「……乗れ」
「え?」
「聞こえなかったか」


