サワくんと別れ、保健室へ向かう。 「誰。あいつ」 長い前髪で顔を隠しているけれど、今ナナセがムスッとしていることくらい明白だ。 「サワくん」 「サワ……くん……だあ?」 オーラが黒すぎる。 名前聞いただけでキレるなよ。 「うちの委員長」 「馴れ馴れしいヤツだな」 好青年と言え。 「みんなに対してあんな感じだよ」 「たらしか」 どうしてそうなるんだ。 「いい人だよ?」 「ああいう人畜無害に見えるヤツが一番腹ん中真っ黒なんだよ」 悪魔みたいな顔して言われてもな。