「あー……ううん。一人で大丈夫」
「そう?」
なんとかなるだろう。たぶん。
とにかく今は一秒でもはやくナナセを校外に出したい。
もはやそれしか考えられない。
「持ちきれないかもしれないから。念のために、僕も行くよ」
「へ?」
「力仕事、女の子だけに任せるのもね」
学校で女の子扱い、久しぶりにされたかも。
さすがサワくん。気づかいのできる男。
これはモテる。
「お言葉ですが、先輩」
ナナセがサワくんとわたしの間に立つ。
「アキラの手伝いなら自分がやるので」
なに言ってるの。
あんたは家に帰れ。いや自分の学校に行け。
「先輩は教室にお戻りください」


