「ライブハウスを営業するには、いくつか届け出の種類があるんだけど。飲食店として出すのが手軽だから、このシステムは欠かせないんだ」
「……なるほど。それで全員なにかしら飲む必要性があるんですね」
「その通り。一杯目はチケット。あとは現金で好きなだけ」
トウヤさんは、手に瓶を持っている。
「それってお酒ですか」
「うん」
「ジュースもありますか」
「あるよ。若いね。高校生だ?」
「……あなたはホストみたいですね」
思ったことを口にしたら、ぶはっと吹き出された。
「素直だね。君」
「リアルに髪ツンツンなひと初めて見ました」
「ステージあがるときは、もっと立ててるよ。クラウドみたいに」
……クラウド?
「気合い入ってるんですね」
「気合いww」
なんで笑われてるのか、わからない。
おかしなこと言ったかな。


