「なんでそんな人が。ここに」 「知り合いのライブ見に来たんじゃない?」 会場では、お客さんは立ち見で 中に先に入ったひと――整理券の番号がはやいひとほど、いい場所をとることができた。 「多いね」 「あたしの推しは人気あるからね!」 「ほとんど亜依がみたいバンド目当てのお客さんってこと?」 「そうなるかな」 「……近いね。ステージ」 振り返ると、いつのまにか後方までお客さんがびっしり埋まっていた。 「めっちゃいいところで見れる~」 亜依がすごく嬉しそう。 来て良かった。