ナナセが袋から取り出したのは、ハンカチだった。 フツウすぎるよね。さすがに。 いや、わたしからしたら十分良いものなんだけど。 相手が悪すぎる。 「……マジか。すげぇ嬉しい」 「え?」 「アキラが俺にプレゼント用意してくれてるなんて。思ってなかった」 用意するよ。 クリスマス会するって約束してたんだし。 「あ、それね。パパさんとママさんにも色ちがい渡したの」 「……俺だけじゃねえのかよ」 「家族でお揃いだよ」