「……? 泊まっていかないんですか」 時刻はまもなく23時になろうとしている。 「電車って、遅くまで出てるんですね。走らなくても間に合います?」 「はあ?」 「あっ。車でしたか」 「お前マジで俺のこと知らねえの?」 ギロリと睨まれる。 そんな悪人面の知り合いいませんが。 「田舎者か」 「え?」 「それともそのメガネ。度が合ってねえんじゃねーの」 「し、失礼な。ちゃんと見えてます」 「……信じらんねえ」