ぐるりとナナセの方に向かされる。 「ナナセ、落ち着いて……!」 「抵抗できると思ってる?」 「……え?」 「もう、昔の俺じゃねーんだよ」 もがけばもがくほど 引きずり込まれてしまう 底無しの、沼のよう――…… 「教えてくれよ。アキラ」 「……教える?」 「好きな女の唇。奪う気分」