「……仕方ない」
髪くらいは乾かしてやるか。
ベッドへの移動は自分でしろ。
「熱かったら言ってよ?」
「へたくそ」
「っ、人にやらせておいて……」
「風は上からあてんだよ。バーカ」
もう、怒った。
「くらえっ」
「は」
ドライヤーを置いて、服の上からナナセの脇腹をくすぐる。
「やめ……クソッ」
「あとは自分でやってよ。じゃあね」
「一方的に攻撃して逃げんのはズルくねーか」
「風邪ひかないでね」
「……行くなよ」
「子供みたいなこと言わないの」
さて、ご飯いただいたらテスト勉強しなきゃ。
成績落とすわけにはいかないし。
「ひと休みしたら。ご飯食べなよ?」
「んー……」
もう寝そうだな、この感じ。


