――――嘘だけど。 「えっ。どこ?」 俺に近寄らせたいだけ。 「とってやる」 ――――無防備 「いいよ。鏡みて、自分で――」 「来い」 俺のこと見ろよ。 「……ナナセ?」 俺にしか見せない顔、見せろ。 「とれた?」 「最終話のシーンで。どうしても気持ち入んないとこあって」 「へえ。天下の七瀬柚季もスランプに陥るんだね」 「手伝ってくんね」 「……わたしが? できないよ、芝居なんて」 「ただ。じっとしてればいい」