彼は目を逸らし、マンションへ入っていった。
「颯、待って」
私は必死に彼を追いかけた。
彼の腕を掴み、「颯、話を聞いて」と彼を振り向かせようとした。
彼は私の顔を見ようともせず、「手を離してくれ」と弱々しい声を出した。
「いや、今手を離したらもう二度と颯と会えなくなっちゃう」
「凛、あいつなら凛を幸せにしてくれる、一緒に年を重ねて生きていける、だから、あいつのところへ行け」
彼は私に背を向けたまま、涙声でそう訴えた。
「いや、颯と離れたくない、颯が好きなの、颯と一緒にいる事が私の幸せなの」
「俺はずっと凛と一緒にいてやれない、だから……」
「少しでもいいから、お願い、颯」
私は涙が止まらなかった。
「凛、ごめん、俺はお前の人生に責任を持てない」
彼は私の手を振り解いて、オートロックのドアの向こうに消えた。
私は立つ気力さえも失い、その場に座り込んだ。
廉が私の肩を抱いて、支えてくれた。
「颯、待って」
私は必死に彼を追いかけた。
彼の腕を掴み、「颯、話を聞いて」と彼を振り向かせようとした。
彼は私の顔を見ようともせず、「手を離してくれ」と弱々しい声を出した。
「いや、今手を離したらもう二度と颯と会えなくなっちゃう」
「凛、あいつなら凛を幸せにしてくれる、一緒に年を重ねて生きていける、だから、あいつのところへ行け」
彼は私に背を向けたまま、涙声でそう訴えた。
「いや、颯と離れたくない、颯が好きなの、颯と一緒にいる事が私の幸せなの」
「俺はずっと凛と一緒にいてやれない、だから……」
「少しでもいいから、お願い、颯」
私は涙が止まらなかった。
「凛、ごめん、俺はお前の人生に責任を持てない」
彼は私の手を振り解いて、オートロックのドアの向こうに消えた。
私は立つ気力さえも失い、その場に座り込んだ。
廉が私の肩を抱いて、支えてくれた。



