結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜

「凛、もう何も言わないでいい、俺の残りの時間を一緒にいてくれ、頼む」

私の返事は聞かないうちに私を抱き寄せ、唇を重ねた。

「ずっと凛とこうしていたい」

「颯さん、具合は大丈夫ですか」

「ああ、大丈夫だ、今朝薬を飲むのを忘れたからな、凛と一緒に過ごしていると、つい、病気の事を忘れちゃうよ」

「お仕事は大丈夫なんですか」

「今日は、予約入ってないから休んだ、そういえば、凛は何処かに出かける所だったのか?」

「はい、夕飯作ろうと冷蔵庫見たら何も食材が無かったので、買い物へ行こうと思ったんです」

「そうか、じゃ、一緒に行こうか」

「大丈夫ですか」

「凛を一人で行かせると、あいつに連れて行かれそうで心配だよ」

「颯さん」

そして二人で買い物に出かけた。

俺は正直焦っていた、凛の元彼の存在に……
あいつの目は本気だった。
多分当時役員達の企てで、無理矢理別れさせられたんだろう。