オートロックが開錠され、私は部屋に向かった。
部屋のドアを開けて廉は中へ招き入れてくれた。
部屋に入るなり廉は私を抱きしめた。

「一日会わなかっただけでこんなに愛おしい」

廉に抱きしめられて、私の心臓はドキドキと高鳴った。
廉が好き。
もう、離れられないと自分の気持ちに嘘はつけなかった。
廉と見つめ合うと、吸い込まれるようにキスをした。

廉、お願い、社長じゃないと言って！

私は廉に聞いた。

「廉、玉森コーポレーションの社長なの？」

廉は怪訝そうな表情で私を見つめた。

「どう言う事？」

「私の親友が雑誌の編集部で働いていて、玉森コーポレーション社長の顔写真を極秘で入手して、見せてくれたの、そこには廉が写っていたの」

廉はしばらく黙っていた。
そして口を開いた。

「ごめん、俺は玉森コーポレーション社長だ」

私の中で何かが砕け散った感覚に襲われた。
嘘、どうして？

「廉、どうして嘘言ったの？」