「他の人好きにならないよね」

祐くんは何を言い出すのかと思い焦りを隠す事が出来なかった。

「祐くん!」

「凛以外好きにならないよ」

「パパ、僕ね、凛ちゃんにママになって欲しいんだ」

祐くんの突然の願いに彼の反応が気になった。

「祐、その願いを叶える為には、凛にパパを好きになって貰わないと駄目だ」

えっ?私は既に彼に心を奪われていた、でも彼はその事を知らない。

「凛ちゃん、パパの事好きだよね」

二人に見つめられて、私はどう答えていいか迷っていた。
祐くんのママにはなれるかもしれないけど、大和さんの奥さんは絶対無理。

「まだ、よくわからないかな」

「パパ、もっと頑張って凛ちゃんに好きになって貰わないと駄目だよ」

「そうだな、さ、もう遅いから帰るぞ」

「凛ちゃん、また遊ぼうね、おやすみ」

「はい、おやすみなさい」

「凛、今日は助かったよ、じゃ、おやすみ」

彼と祐くんは町の暗闇に車を走らせて消えた。