結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜

「おい、祐、凛にばらすな、かっこ悪いだろう」

「パパ、それなら好き嫌い無くさないと駄目だよ」

「しょうがねえだろ、食えねえんだから」

この二人親と子が逆転してる。私は思わず笑ってしまった。

一日遊んで疲れたのか、帰りの車の中では、祐くんはすっかり寝てしまった。
彼はバックミラー越しに私に話しかけて来た。

「凛、今日はサンキューな、久しぶりに祐を遊びに連れて行く事が出来た」

「私も楽しかったので大丈夫です」

「あのさあ、さっきの俺は本気だから」

「さっきの?」

「俺、凛と結婚したいって言っただろ」

えっ?うそ、何言ってるかな。
私は真っ赤になるのを感じて俯いた。

「やっぱり凛は可愛いな」

そして、彼は私をアパートに送ってくれた。
車から降りると、私を抱き寄せた。
心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

「凛、今度は二人で会ってくれ」

そして彼は顔を近づけて来た。
私は咄嗟に顔を背けた。