結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜

息子は凛をじっと見つめて口を開いた。

「凛ちゃんはおばさんなんかじゃないよ、すっごく可愛いよ」

俺は息子の言った言葉に驚きを隠せなかった。そして俺は六歳の息子と張り合った。

「祐、凛はパパの大事な人だ、口説くんじゃねえ」

「大和さん、六歳の子に何言ってるんですか」

「もう立派な男だ、凛、祐の言葉にドキッとしただろ?」

凛は言葉に詰まり、下を向いた。

「凛ちゃん、僕と一緒に後ろに座ろうよ」

そう言って祐は凛の手を引っ張り、車の後部座席に座った。
俺は大人げなく息子に焼きもちを焼いた。


それから三人で一日を過ごした。
祐くんは幼いながらすごく紳士で、私をエスコートしてくれた。

「凛ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫よ、祐くんは優しいのね、幼稚園でもてるでしょ?」

「そんな事ないよ」

祐くんは恥ずかしそうに俯いた。
私は意とする事があるわけではないが、ママの事を聞いてみた。

「祐くんは、ママにも優しくしてあげてるの?」