「ハハハ、大きく出たな、そう言えば百合絵ちゃんとはキス位したか」

「はあ?俺は結婚はしないからな」

親父は不思議そうな表情で俺を見た。

「どうしてだ、中々可愛い子だろう」

「俺、好きな女がいるんだ、その女以外とは結婚はしない」

「そうなのか、金子は承知しているのか?」

俺は大きくため息をついた。

「金子は凛に金を渡して別れるように仕向けたんだぞ」

「その金をその子は受け取ったのか」

「受け取らねえ、凛はそんな女じゃねえ」

親父は納得いかない様子の表情を見せた。

「じゃあ、何が問題なんだ」

「俺、社長辞める」

「何をバカな事を言っておる」

「俺は本気だ」

「なんでお前が社長だとまずいんだ?」

俺は事の成り行きを話した。

「そうか、それはお前の努力が足りないんじゃないのか?」

「俺の努力?」

「凛さんと言ったかな、彼女がお前が社長でもついて行きたいと思わせる努力じゃ」

俺はそうかと思い知らされた。