結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜

「駄目よ、廉は取引先のお嬢さんと結婚するんでしょ?社長なんだから、これから先奥様になる人の事だけ考えてあげて」

「俺は凛以外の女とは結婚しない、凛が結婚してくれないと、俺、一生独身になっちゃうよ」

「廉」

俺は凛を抱きしめてキスをした。
もう凛以外考えられない。

「凛、俺は会社に行く、帰ってくるまで待っててくれ」

凛は黙って頷いた。

しばらくして、マンションのインターホンが鳴った。

「廉さんはいますか」

一人の女性が訪ねて来た。

「会社に行きましたが……」

その女性は廉の会社の取引先のお嬢さんだった。

「私、廉さんの結婚相手の百合絵と申します、あなたが廉さんを惑わしてる方ですか」

「惑わしているなんて、そんなつもりは……」

「無いとおっしゃるの?それならなんで、廉さんは私との結婚を拒んでいるのかしら、あなたは何が目的なの?」

「目的なんてありません」