結ばれない運命〜愛する人は空の彼方へ〜

実は父親同士が古くからの知り合いで、俺達も小さい頃から二人は結婚するんだと言われて育った。

「廉さん、どう言うつもりですか、父は絶対に許しませんよ」

「許してもらおうとは思わない、違約金も払う」

「廉さんをそこまでの気持ちにさせる相手の方はどんな女性ですか」

「凛は俺のすべてだ、自分の事より俺の事を一番に考える女だ」

俺はもう後には引けない覚悟だった。

俺は凛を探し回った。

凛、何処へ行ったんだ。

俺はお前の為に社長の立場を捨てても構わない。
俺が社長だから、会社の事を凛は考えたんだろう。
会社役員から結婚を反対されて、別れてくれと、金を渡された時の凛の気持ちを考えると、俺は凛を守ってやれなかった事を後悔してもしきれない。

凛、俺はお前を愛している。
俺の気持ちを受け取ってくれ。

その頃凛はアパートを借りて生活を始めていた。
仕事も上手くいかず、ニートの生活を送っていた。