何故、俺を信じて待っていなかった、自分で身を引く事を選んだ。

凛、俺の元に帰ってこい。

俺は自分の社長の立場を呪った。

あれから俺は必死に凛を探した。

凛は金を受け取らないだろう、そう遠くへは行っていないと思うが、凛、何処へ行ったんだ。
凛は自分の事より俺のことを一番に考える。
俺の立場や会社の事を考えて、自分が身を引く結論に達したんだろう。

確かに婚約を断れば、取引先との関係はゼロになる。
しかも莫大な違約金が発生する。
俺のわがままで、会社を危機に追い込むことは出来ない。
でも俺は凛以外とは結婚は考えられない。

俺は自分の気持ちを押し通す決心をし、会社の存続も考える旨を役員に申し出た。
しばらく凛を探す為の休みを貰った。
もし、凛が見つからない時は、俺は独身を貫き通すと心に決めた。
いや、絶対に凛を見つける。

だが、凛の居場所はわからなかった。
そんな時断った婚約者が俺の元にやってきた。