「俺が悪かった、騙すとかそんな気持ちはない、凛と付き合いたい一心で社長である事を伏せた、ごめん」

ドア越しに謝った、許してもらうまで謝り続ける覚悟だった。

「俺は、凛と結婚したい、凛じゃなければダメなんだ」

私は廉の必死な呼びかけに、迷っていた。
ドアを開けたら、もう戻れない、二度の過ちは犯してはいけないとわかっているのに
私は自分の意思とは別に身体が動いていた、そしてドアを開けた。

そこには必死に説得を続ける廉の姿があった。

俺は部屋に入り、凛を抱きしめた。

「凛、俺に着いて来てくれ」

凛は頷いてくれた、そして見つめ合い、唇を重ねた。

私は廉と暮らし始めた。たわいない毎日が楽しかった。

「廉、朝よ、起きて」

廉は全く起きない、この寝顔はずるいよ、超かっこいいな、ふふ。

「凛、おはよう」

「もう、起きて支度しないと遅刻よ」

「やべ、凛と一緒だと、毎日遅刻だ」

私は幸せだった。