檸檬色の日々



次、と彼女は彼に言った。

その次は訪れたのかな。ちゃんとまた出逢えていたらいいな。


ロボットと王族の恋、なんて、映画や小説の中で起こる恋みたい。それでも、触れられた温みやキスの感覚も、なんとなくまだ残ってる気がする。

おかげで私、彼氏いない歴=年齢。ファーストキスもまだ。みんなから理想が高いだのなんだの言われる。困ったもんだ。


「A高の人たちだっ」


みんなが前を見ながらこそこそとうわさするのは、かっこいい男子がたくさんいるらしい隣の高校の制服を着た数人の人たち。

ヒカリよりかっこいい人なんてテレビにも雑誌にもそうそういない。ため息を堪えながら、そっとすれ違う。


その瞬間、ひまわりが、太陽と反対のほうに仄いた。──── のは、風のせいかもしれないけれど。

振り向くと、A高のひとりも、こっちを見ていた。


何かに導かれるように。

足が、気持ちが、心が、勝手に彼のほうへと歩み出す。彼もまた私のほうへと駆け寄ってくる。


まるでいつか見た夢のなかで交わした頼りない約束通りに、私たちは、待ち合わせをしていたのかもしれない。


「おれたち、どっかで逢ったことない!?」


古いナンパ文句みたいだけど、どうやらこれはもっと遥か遠いいつかの話。

サンが流せなかった涙を、代わりに流すよ。