檸檬色の日々




『なあ、この花の名前知ってたりする?』
『…えっ……』
『この檸檬色の花。なんつーの?』
『あ…ひ、ひまわり、です』
『ひまわり…』
『ひまわりは、太陽に向かって咲く夏の花だそうです。…暖かいこの国にぴったりの花だと思います』

そう言うと、可愛い八重歯をいっぱいに覗かせて、星色の瞳を瞼にきゅっと収め、笑ってくれた。
太陽よりもまぶしい光のようだと思った。
国を褒めて、うれしそうだったこの国の王子様。
私に恋を教えてくれたひと。
私に愛をくれたひと。

『今時間ある?』
『あ…お昼休憩が、あと10分で…だから……』
『じゃあ5分でいい。一緒に来てほしい場所があるんだ。無理?』


いつも誰にも笑顔なきみが、不安げに眉を下げる。

その表情を見て差し出された手を思わず掴んでしまった。
身分も何も考えられなかった。

本当はね、次の未来のことを望んだのは別れの時だけ。


せめて5分後にきみが笑ってくれますように。

それだけがひまわり畑までヒカリに会いに行く私の祈りだったよ。