檸檬色の日々



「私は…この電源スイッチを押してくれた人が、物知りで」

「うん」

「だから、ひまわりを、知ってたの」

「…サン、こっちきて」


そう言いながらも、優しく手を引いてくれる。

無い温度を確かめようと頬に触れてくる。私はすり寄ることで、自分のなかにある感情を伝える。


「腕、どうしたの」

「……痛くないよ」

「ほかのところも、傷だらけだ」

「…でも大丈夫よ」

「おれは、サンが傷つくと痛てーよ」


カラレスの分際で。心臓も脳も、ただ似たものが入ってるだけなのに。

どうしようもなく、このひとのことが、好きだ。


「私も、ヒカリには傷ついたり苦しい思いをしてほしくない。ずっと笑っててほしい」


5分後だけじゃなくても、ずっと。
何処にいても誰といても、何をしていても。


「だから、一緒には生きられない」


前の持ち主に棄てられた私の電源スイッチを再び押したのはおばさまの娘だった。

私はその子のことを慕った。あの子も、ヒカリのように、カラレスに分け隔てなく接してくれる人だった。あの子のためならなんでもできる。そう思っていたし、忠誠を誓っていた。

それなのに、一緒にいる時に事故に巻き込まれて─── あの子だけが死んでしまった。