檸檬色の日々



一年のほんの少しの間を除けば暖かいこの国で、どうしてこの場所だけにひまわりは咲いているんだろう。

太陽に近づこうと背を伸ばして、その行く先を見守るように追いかける檸檬色の姿。私もあんなふうに見つめることを許されたらと、此処に来るたびに思っていた。



「なんで此処にしかひまわりは咲いてないと思う?」

「ヒカリ……」


久しく聴いていなかった柔らかく低い声。いつも天衣無縫なのに、しっかり王族らしさを纏う凜としたたたずまい。


「この国の建物は皆高く、日輪は見えずらい」


私が知りたいと思ったことを、彼は何も言わずに教えてくれるの。


「この広場であれば存分にあの光を追えるからおれの曽祖父は此処に種を蒔いたと聞いた」

「え、ヒカリの曾おじいさまが?」

「うん。何の花を植えたのか記されてねーから、初めてこの場所に来た時からずっと知りたいと思ってた。だけどこの国には花屋もないし、花の図鑑もないから調べようがなくてさ」

「……」


仄く陽光が彼の横顔を照らして、きれい光景だった。


「それにこの国に花を気にする人なんていないって思ってた。だからサンが道端の花に水やりしてるのを見かけて気付けば話しかけてたよ」


どうして、が、クリアになっていく。

そうだったんだと、泣きたくなる。
涙なんて流したことない。

出るのかな。カラレスでも、涙は出るのかな。