檸檬色の日々



カラーレスには様々な決まりがある。人型のロボットとして、雇い主の告げることは絶対。別の家の人間との深い親交は許されない。

家に置く人たちの用途はそれぞれだ。人間が面倒だと思うことを代わりにするために創られているので、労働のため、娯楽のため、腹立ちまぎれのため、肉欲処理のため……言われたことは、その通りに行動する。それが私たちの義務。


そのなかで、私の扱いは良いほうだったと思う。

おばさまたちは私に住む部屋を分けてくれた。働くという使命を与えてくれた。それだけで充分な暮らし、だったのに。


望んでしまった。

この生活より、彼と生きるための方法を、いつしか夢見るようになった。


無色で出来ている理由に逆らっている。



「アンタさえいなければ」


おばさまからのお叱りの数が増えた。

その台詞は私に相応しい。おばさまたちを苦しめているのは、いつだってこの存在だ。


だけど私に暴力を振れば、それだけ自らの手足が痛いだろう。

切り傷が打撲になり痣になり腫れになっていく様を見て、これ以上はおばさまの身体がもたないと判断した。


逃げたわけじゃ、ない。
彼に会いに行ったわけでもない。

それでも行く宛てはあの場所しかなくて。


人目を避け、それでも足早に向かったひまわり畑は、何も変わらずそこにあった。