学校に来て、今日は奏と学食。



いつもと違って今日は奏が席を取っておいてくれた。



あまり目立たない端の席。



先に座って待ってる奏がなんだかキラキラして見えて、急いで席に向かった。



「ありがと」

「ん、メニュー取り行くか~」



今日もみんなの視線を感じながらメニューを取り、席に戻って食べ始める。



いつも通りの何気ない会話も輝いてるみたい。



そのとき、篠塚くんがこっちに近づいてきた。



うわっ、忘れてた…。



最悪だ…。



「俺もいい?」



図々しくも、篠塚くんはそう言ってあたしの隣に座りだした。



いいわけないでしょ!



バラされるんじゃないかとビクビクするあたし。



「お前なんで来るんだよ」



奏が眉間に皺を寄せたすごい顔で篠塚くんに言った。



こんな顔、学校の子たちが見たら奏って認識されないよ…。



死角の席とはいえ、チラチラ注目はされてるんだから…。



篠塚くんは威嚇する奏のことはあまり気にしてないみたいだ。



「お前らまじ気に入った! そっちの方が人間らしくていいよ」



篠塚くんはそう言って笑い飛ばした。



あたしはその言葉に内心ホッ…。



バラされる心配はなさそう。



「ありがとね?」



あえて猫かぶりで接してみた。



一瞬で赤面する篠塚くんが面白い…。



そのとき、「あんた邪魔!」と親衛隊の女の子たちがやってきて、篠塚くんを回収して行った…。



篠塚くんがどこかに連れ去られたあと、スズナちゃんがあたしのところに来て、「2人の時間、篠塚が邪魔してごめん!」と言った。



アハハ…。



さすがに会話は聞かれてないだろうけど、やっぱり見られてるし…。



「篠塚とずいぶん仲良さそうだったじぇねえか」



スズナちゃんが行ったあと、奏が言った。



嫉妬…?



「そんなことないと思うけど…」

「あっそ」

「嫉妬?」

「は?」



キッとにらまれた。



やっぱ嫉妬じゃん…。



なんかめちゃくちゃ嬉しい…。