剛さんの車にみんなで乗り込み、1時間半。
キャンプのできる川へと到着した。
「わーいいところだねー!」
車を降りた美乃里ちゃんのポニーテールが風で揺れる。
「里柚と柚巳はふたりだけで遠くに行っちゃダメだからね。ルール守れなかったらすぐに帰るから」
剛さんの言葉に双子が息ぴったりに元気よく「はーい」と返事をして。
「早速、テント設営と昼飯の準備だね。果歩くん、お手伝いよろしくお願いします」
「はいっ」
こうして、剛さんと俺の共同作業が始まった。
俺たちがテントを組み立てている間、横では美乃里ちゃんと双子たちが昼食の準備を始めていて、
それを見ているだけで、今まで味わったことないあったかさが胸に広がった。
家族……か。



