俺の発言のせいで、また美乃里ちゃんの仕事を増やしてしまった。
やばっ……っと思っていたら、案の定、ものすごい目つきで睨まれた。
「ごめん」
「水牧くんのバカ……」
呆れたように吐いた彼女はそう言って、里柚ちゃんと共に家の中に戻ってしまった。
きっと、俺がからかって、普段女の子たちに声をかけるような感覚でそういったと思っているだろう。
てかまじで、俺が一番びっくりしてるから。
あんなに無意識に近い素で、本能的に、女の子の髪にときめくとか。
まぁ、あの子、顔はいいから。顔は。
中身は完全に馬鹿力ゴリラ。
頬を叩かれた日のことを思い出す。
俺のことあんな風に睨むし。
やっぱり、かわいくない。そう何度も自分に言い聞かせた。



