あんなに無邪気に笑うんだ。

いつもは計算されたような、作り込まれた笑顔って感じなのに。

なんていうか、今は、ゆるゆる。
私には不敵な笑みばっかり向けてくるくせに。

だから、ちょっと拍子抜けというか。

「ん?美乃里ちゃんも食べる?」

「はっ?!」

あんまり睨んでいたせいで目が合ってしまった。

「た、食べるわけないし」

「ハハ、仲良いんだな。ふたりとも」

「ぜんっぜん仲良くないから!」

パパの発言にすぐ反論すると、パパが水牧くんに「ごめんね」と眉尻を下げて笑った。

なんで、私が悪いみたいになっているのよ。

「果歩くん、敷布団で大丈夫?」

「え、あの、剛さんほんと、俺……」

「ベットがよかった?」

水牧くんは申し訳なさそうにしてるっていうのにパパはぐいぐい。