「アズコンの一年代表のミスター、絶対果歩くんで決まりだよね」
「うん、ぶっちぎり」
「で、ミスは美乃里!」
「……はっ、え?」
自分の名前が萌ちゃんの口から出てきた気がして思わず声を出す。
「なにその顔〜」
「そうだよ。どう考えても1年で一番かわいいの美乃里じゃん」
「あの、な、何言ってるの……そんなわけ」
梓ヶ丘ミス・ミスターコンテスト、通称アズコンは、毎年行われるこの学校の学園祭で、学校の美男美女のトップを決める大会だ。
それの代表が私って……冗談にもほどがある。
「もう〜!美乃里の顔面で謙遜されたら、私なんて生きていけないんですけど?」
「私も。いいじゃん!果歩くんと美乃里、性格真逆のふたりって感じで!」
「はい?何がいいの?!」
思わず大きな声を出してしまった。