小学4年生の頃。
母親が離婚して。

それから、俺の人生は歪み出した。

女で一つ。
俺を養うためにと専業主婦だった母さんがはじめたのは夜のしごと。

始めた当初はまだ落ち着いていた。
でも……。

そんな生活が一年ほどたった頃。

母さんが家に男を連れ込むようになった。

そして、仕事のない夜はその人と部屋を出ていく。

学校から帰ってきて用意されていたご飯は、母さんお手製のおにぎりから、カップ麺へと変わり。

さらに半年経った頃には、食卓に1000円札一枚か500円玉が置かれるようになった。

母さんの目は『早く外に行って』そんなことを訴えていた。

だから、外で食事を済ますことが増えて。

俺を家から追い出したあと、母さんが男となにをしているのか、この頃にはなんとなくわかってきて。

母さんにとって自分が邪魔であることを察した。

中学に上がってからは、俺は友達の家を転々とするようになり。

同時に、学校生活ではヘラヘラ振る舞うことで寂しさを紛らわせてきた。