モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


シンと一瞬静かになったところに、ちょうどパパの車が学校に入ってくるのが見えた。

「果歩くん、大丈夫?!ほら、早く乗って」

慌てて車から降りてドアを開けるパパ。

「すみませんっ、しょっちゅうご迷惑を……」

「迷惑なことなんて何にもないから。果歩くんはもう息子みたいなもんなんだし」

「っ、ありがとうございますっ」

パパは水牧くんに助手席に乗るように言ってから、すぐに車を走らせた。

「果歩くん、体調は?」

「や、ほんと、体熱いのとちょっとだるいだけで、全然」

「そっか。無理しないでよ。今日はうちで休んでいいから」

「何から何まで申し訳ないです……」

「あーも、謝るの禁止ね?あれだけ素敵なステージだったんだ、きっと終わってホッとして疲れが出たんだろう」

ふたりの会話を後部座席から聞く。

「そういえば、前にも一回熱出したことあったよね。あの時、僕が送るから店閉まるまで待っててって言ったのに聞かないで帰っちゃって」

「あーー、そんなことありましたね。剛さんにはカッコ悪いとこ見せてばっかで」

「そんなことないよ」

このふたり、本当に私の知るずっと前から知り合っていたんだと思うと、変な感じ。