「……はずっ」
と目を逸らしながら、先生からもらったスポーツドリンクを飲む水牧くんの耳が赤い。
熱のせいかな。はたまた……。
「早く良くなってね。パパが迎えに来てくれるから、水牧くん、今日うちにそのまま泊まったらいいよ」
「ブッッ」
「え」
突然、水牧くんが飲んでたドリンクを吹き出しかけた。
「……まじかよ、」
「だって水牧くん、最近ちゃんとご飯食べてないんでしょ?先生も言ってたし。善先輩も言ってたよ。痩せた気がするって。ちゃんと食べてゆっくり休んで」
「……いや、まぁ、その……はい、」
なんでそんなにドギマギしているんだ。
水牧くんがうちに泊まるの、初めてじゃないのに。
「水牧くん?」
「……や、好きな子と一つ屋根の下ってやべーでしょ。初めて泊まったときとはわけが違うんだよ。美乃里ちゃん平気そうだけど」
「……別に平気ではっ!でも、パパとか柚巳たちいるし」
そう言いながらも、水牧くんからうつったみたいに私も顔が火照る。
『好きな子』って。
学園祭が始まってからの水牧くんは特に甘すぎてしょうがない。



