教室にリップ音が響く。

美乃里ちゃんと触れ合っていることが、肌や体温、音、全部から伝わって。

愛おしくてたまらない。

わかってる、美乃里ちゃんのペースで。
でも、あと、もう少しだけ。

「……んっ、」

そんな声、絶対俺以外の人の前で出さないでよね。

その潤んだ瞳も。全部。
俺だけが知ってればいいから。 

強引だったものが徐々に触れるようなキスになっていって。

心地いい。美乃里ちゃんの柔らかい肌も匂いも。

張り詰めていた心がようやく溶けていくような感覚。

美乃里ちゃんはちゃんとここにいる。

「……美乃里ちゃん、すっげー好き」

「うん。あんまり言われると、その、恥ずかしい」

「知ってる。でもやめない。好きだよ」

そう言って優しく抱き寄せて。
彼女の耳元で呟いた。

全力で幸せにするから。
覚悟しててね、美乃里ちゃん。