〈果歩side〉
「……私も、好きだから」
全然止まってくれないじゃん美乃里ちゃん。
ストップって言ってるのに。
その声にドクンと大きく胸が鳴る。
ガチで言ってんの?
俺は、てっきり振られる覚悟で。
それでも、これからちゃんと誠意を見せていこうってそんなつもりで。
学園祭の間ずっと、少しでも美乃里ちゃんの気持ちが揺らげばいいと思っていたけど。
そんな都合のいい話あるわけないなんて思ってて。
なのに……。
こんなの。
「……本気で言ってんの」
「っ、ほ、本気だよ。水牧くんは冗談だったの?」
バカたれ。
あんな心臓の音聞かせといて冗談なわけあるか。
「……本気だよ、ガチだよ。ヤバいから、ずっと」
いつからか、なんて明確なことはわからない。
気付いたら、美乃里ちゃんの笑顔が忘れられなくなっていて。
俺が守りたいって思ってて。
離したくないし誰のものにもなってほしくない。
好きだよ、認めたくなかったけど。
落ちたよ、美乃里ちゃんの全部に。



