「でもやっぱり、可能性低いと思う」

水牧くんがああいうことしたのも、私のことを助けてリードしてくれたのも、

全部、アズコンで優勝するためだし。

「じゃあ、美乃里これからどうするの?その気持ち、閉まったままでいるつもり?」

「うっ、それは……」

確信をつかれて口籠もってしまう。

どうするって言われたって……。

「恋っていうのは、受け身なだけじゃダメなんだよ、美乃里。傷つくのが怖いのもわかるけど!美乃里からちゃんと自分の気持ち、伝えるべきじゃない?結果がどうなったとしても、この気持ちなかったことにはしないで欲しいな」

「うん。もしなんかあったらうちらの胸、貸すからさ!ほら!全力待機してまってるよ」

「ふたりとも……」

ふたりの言葉が沁みて、じわっと溢れてきた涙で滲む。

改めて、ふたりのことが大好きだし、私もふたりが悩んだ時同じように寄り添いたい。

「ありがとうっ」

そう言って自分からふたりに抱きつく。

「でも、今日はやっぱりふたりと回りたい」

「かわいすぎるかよ!よし、じゃあ一緒に作戦会議しながら行くとしますか!」

萌ちゃんに優しく頭を撫でられて。

私たちは3人で校内を回った。