モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


嘘でしょ……。

キスって……。

『ほっぺでいいから』ってなによ。
どこでもダメだから!!

私と水牧くんはそんな関係じゃないのに。

パパや柚巳たちも見にきてるのよ……。

無理に決まってるじゃない。
そんなハレンチなこと。

水牧くんの大バカ!!

……でも。

このままだとずっと水牧くんに持ち上げられたままになってしまうわけで。

ほかのファイナリストもスタッフも、お客さんも。

私たちのせいで待たせるわけにはいかない。

「美乃里ちゃん」

『早く』
まるでそう言ってるみたいに私の名前を呼ぶから。

あぁ、もう。

最悪だ……。
ほんっとうに最悪だ。

こんなことに、ドキドキしちゃっているんだから。

「……バカッ───っ、」

私は小さくそう呟いてから、ギュッと目を瞑って。

唇で彼の頬に触れた。