一番気になってたのも。
だから思わず声が出た。
たしかに水牧くんのお金で頼んだものだから私がもらう方がおかしな話なんだけど。
でも……。
「食べたい?」
「……ちょっと、」
負けてしまった。
「じゃあちょーだい」
「……っ、」
一度すれば、パフェをもらえるんだ。
緊張で手が震えそうになりながらなんとか彼の口元にスプーンを持っていくと。
水牧くんが一口カレーを食べた。
「うま。さすが泰生が隠し味にこだわっただけあるな」
「え、これ菱田くんが作ったの?」
「レシピをね。あいつカレーにはうるせーから」
「そうなんだ」
そんな一面が。
今度機会があれば、教えて欲しいな。
カレーのレシピ。
本垢的なお店の味だよ。
それから私たちはテーブルに乗ったスイーツを一緒に食べて。
お腹いっぱいになって教室を出た。



