顔に熱が集中する前にと水牧くんへの意識をカレーに移してパクっと一口いただく。
「……ん!!美味しいっ!!水牧くん!!これ美味しいよ!!」
思わずその美味しさに目を大きく開けて目の前の彼を見る。
見た目がすごい分、味のギャップにやられてしまった。
「……っ、そんなキラキラした目で言わないでよ」
「へっ、」
キラキラって……。
「見てるのが俺だけならいいけど」
水牧くんはこちらからサッと目をそらしてちょっと不機嫌そう。
なによそれ……。
「美乃里ちゃん」
返す言葉に困っていると、水牧くんの方から私の名前を呼んだ。
「なに……」
「あー」
突然、水牧が控えめに口を開けながら声を出す。
え。
水牧がなにを伝えようとしているのかわからなくて、ん?と首を傾げると、
「あーんして」
机に頬杖をついた彼が、そう言った。



