「注文決まった?月本ちゃん」
少しして、さっき案内してくれた着物姿の女の子が私たちの注文を取りにやってきた。
先程の幽霊っぽい口調はどこへやら。
完全に格好とは真逆のテンションで話している。
しかも、『月本ちゃん』って。
私たち、初対面、だよね……。
青白いメイクで隠れているけれど、良く見ると顔のひとつひとつのパーツが綺麗に整っていて。
普段はすごく美人さんなんだろうな。
身長もスラッとしててモデルさんみたい。
水牧くんと親しそうだったし、彼の周りにはこういう子がたくさんいるのかと思うと勝手に落ち込んでしまう。
「えっと……」
机に置かれたメニューに目をやりながら商品を選ぶ。
さっきクレープ食べちゃったから甘いものよりもご飯系が食べたいかも……。
でも、商品名だけで気になる食べ物がいくつかあって迷ってしまう。



