モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


中に入ると、思ったよりもお客さんが多くて賑わっていた。

店員さんの生徒と内装は完全にお化け屋敷感満載だけど、

テーブルに座るお客さんたちの表情はみんな笑顔で楽しそう。

「あれ、果歩くんじゃんっ!」

私たちを席まで案内しようとしてくれた女子生徒が振り向きざまにそう叫んだ。

多分、さっきまで髪の毛で前が良く見えていなかったのかも。

振り向いた拍子に髪が揺れて、水牧くんに気づけたらしい。

彼女のひとことによって、周りが一層騒がしくなり出した。

「おー果歩〜!果歩もなんか着てくれよ〜!お前がいた方が絶対女の子の客増えるからさー!」

「え、てか、月本さんじゃん!かわいい格好してる〜!!キツネ?これキツネだよね!」

「あ、は、はい……一応、」

お客さんの目なんて関係なしにどんどん話しかけてくる水牧くんのクラスメイトの人は、スケルトンの衣装を身にまとっている。