モテすぎる男子から、めちゃくちゃ一途に溺愛されています。


「……そっか、うん、……よかった」

「え……」

今、水牧くん……。
『よかった』って言った?

自分の耳を疑ったままチラッと彼の方を見れば、視線が絡んで。

優しく微笑まれた。

なんで、そんな目をして私を見るの……。

思わず恥ずかしさで目を逸らしてしまった。

ベンチに座る私たちの前をたくさんの人が行き交い、あちこちから呼び込みの声や来客者の話し声がして、

もしかしたら聞き間違いだったかもしれないと何度も自分に言い聞かせる。

どうしよう……水牧くんの顔が見れない。

自分の熱を覚ますために、クレープを食べることに集中する。

美味しい……。
そうだ、この美味しさで頭の中いっぱいに……。

「美乃里ちゃん」

ふいに優しく名前を呼ばれて振り付けば、水牧くんが、自分の口端を人差し指でトントンとした。