「善先輩のことは、尊敬できる先輩のひとりって思ってる。恋愛対象ではないよ」
先輩に対しての気持ちが、恋じゃないのは自分が一番良くわかっている。
なにもかも違うもん。
ふたりきりになった時、好きな人とそうじゃない人とでは。
自分が自分じゃないみたいに、体が勝手に熱を帯びて、胸だってずっとうるさくて苦しくて。
それなのにその痛みすら心地良くて。
温かくて。
終わってほしくない、ずっと続けばいいのにって願う。
もっと、知りたい、知って欲しい。
触れてほしい、触れたい。
私以外を見ないで欲しい、なんて。
わがままに思うのにそれ以上に臆病にもなって。
そんな風に自分の気持ちも体もうまくコントロールできなくておかしくなっちゃう相手は、
今、私にとってたったひとりだけ。
全然違うから。



