パクッ──。
んん!!
甘いクリームとほんのり塩気のあるクレープ生地、絶妙な味のバランスに自然と顔がほころぶ。
さらにふたくち噛めば、いちごの酸味とバナナの甘さが口いっぱいに広がって。
口の中がスイーツのパラダイスだ……。
「お……美味しいっっ!!」
「うん、うまい」
こんな美味しい食べ物を私は今まで知らなかったなんてっ!!
いつか、絶対、柚巳と里柚にも食べさせてあげたいっ!!
いや、いつかなんて遅すぎる。
今すぐ共有したいよ。
「持って帰りたい……」
「ふはっ、ほんと姉バカだね、美乃里ちゃん」
私がこのクレープを持って帰りたいと思った理由が、双子たちであることをすぐに察してくれた水牧くんに、また胸がキュンとして。
こういうところなんだ。
一見やな奴かと思いきや、ちゃんと人のこと見てる優しさが垣間見えるから、いやじゃなくなってしまう。



