「本当に追加のトッピングよかったの?」
「うん。そのままでも十分すぎるよ。本当に……あの、ありがとう」
あれから人目が気になりながらも、
なんとかクレープをゲットでき、離れたベンチに水牧くんと座る。
私が頼んだのはいちごバナナ生クリーム。
水牧くんが頼んだのは、照り焼きチキンサラダ。
見た目だけでもすごく美味しそうで可愛くて。
さっきのお店、調理している子の中にクレープ屋さんでバイトしている子が何人かいるって言っていたっけ。
だからこんなに盛り付けがうまいのだろうか。
学園祭の模擬店クレープ、あなどるなかれ。
これが最近世の中で良く聞く『映え』か。
あ、そうだ、写真!!
こんなにキラキラふわふわしててかわいい食べ物、写真に収めなくては。
「あ、水牧くん、ちょっと待って、並べて写真撮ってもいいかな!」
そう言いながら、ワンピースのポケットに手を入れようとしたとき。
「……あ」
「美乃里ちゃん、今スマホ持ってないでしょ」
私の声とほぼ同時に水牧くんがそう言った。
やってしまった。
私、何回このミスするつもりなんだろうか。



